ERPシステム導入は「改善」ではなく、「改革」であるべきだと私は思います。
もう少し言えば「小さな革命」であるべきだと。
5年か10年に一回行われるシステム更改は、会社にとっての一大イベントであり、会社が大きく変わるチャンスでもあると思うのです。
私は長くスポーツの世界におりましたが、トレーニングには賞味期限があるというのが通説です。あるトレーニングで成績がグンと伸びたとしても、同じことを2年やっているとその効果は薄れてしまうという意味です。
どの世界にも道を極めてい達人がいますが、どなたも口を揃えておっしゃるのは「日々精進」とか「死ぬまで勉強」とか「向上心がなくなったら終わり」ということです。
つまり、常に改善する意欲を持ち変化していかないと、その世界で戦うフィールドに立てないということだろうと思います。
会社組織というのは、ある意味で人間に例えられるような生命体でもあります。昨日と同じことをしていれば、確実に退化するのと同じように、以前に効果の合ったシステムも今では陳腐化してしまっていることが多々あります。
システムの更改は多額の費用と、大きな人的資源を消費する活動です。せっかく訪れた絶好の機会を、旧システムの単なる焼き直しや小さな改善にしてしまってはもったいない話です。
とは言え、現在の業務に合っているシステムのどこをどう変えれば良いのか等、悩みは尽きません。私はひとつの提案として、いっそERPにすべてを任せるという方法もあるのではないかと考えています。業務をシステムに合わせるという考え方です。
言うは易く、実現は難しい話ではありますが、実際に実現されている会社も多いように聞いております。現に欧米ではERPをすぐに導入してしまいます。
日本は世界に比べて現場力が強い国でもあります。現場の方たちの能力が飛びぬけて高いからこそ、こだわりが強く変化に弱いという側面もあると思います。
逆に環境が変わってしまえば、恐るべき適用力を発揮してシステムを飼いならしてしまう能力を持っているのも日本ならではと思います。
勇気と決断をもって業務を変えていくこともERP導入の一つの効果であると言えるでしょう。