第4回:経理部がERP導入を主導すべき理由

ERPシステム導入で、プロジェクトメンバに経理部が参画を拒否して、メンバに入っていないケースに時々遭遇します。ERPシステム導入で一番恩恵を受けるのが経理部であるのに・・です。こういうプロジェクトは破たんするか、導入後に必ずトラブルとなります。

理由はいくつかのパターンがあるのですが、一番多いのが経理部が経理部のみで使う会計システムを入れてしまっていて、販売管理など他システムと連携をさせないようにしているため、運用を変えたくないというケースです。誰しも自分の城を守りたいという意識がありますので、根本を揺るがす事態に適応できないのではないでしょうか。

このようなケースでヒアリングを進めていくと、たいてい営業部対経理部の根深い確執に行きあたることがあります。確かに営業部など現場は好き勝手に伝票を登録してしまったり、無理難題を何とかしてくれと泣きついてきたり。経理部にとっては敵のような存在に思えてしまうのかも知れません。

「新しいシステム導入で何が便利になるのか知らないが勝手にやってくれ、どうせ後始末をするのは我々経理部だ・・」みたいな感覚なのでしょうか。

しかし、ERPを導入するとなればそういった些細なトラブルは、ほぼなくなります。何しろ伝票を入れた時点で仕訳が切られるのですから手間が要りません。特に月次決算、年次決算の時などはその威力に感心することでしょう。まずはこの部分を根気よく説得することが大事だと思います。

ただ別の観点から見ると、経理部にとってERPを入れると自分の仕事を奪われてしまうという漠然とした不安感も根底にあるのではないかと思います。確かにERPを入れてしまえば、自分で仕訳を登録する作業はほとんどなくなります。自動仕訳されたものを確認するだけになります

逆にひとつ上の能力が必要となってきます。例えば仕訳パターンなどのシステム設定などがそれに当たります。また経営情報の取り出しなどは必ず求められますので、データを分析する能力も必要になってきます。

経理部としても、会社の黒子ではなく、新しいより重要な役割を責任をもって実行するということを認識して、参画してもらうことが何より大事なことになります。

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